漫画で知る「戦争と日本」
– 壮絶!特攻篇 –
漫画: 水木しげる
解説: 吉田裕
今、漫画で”戦争”のこと、学び直してみませんか?
子どもから大人まで。
100分でわかる戦争の正体。
1945年8月15日に終結したアジア・太平洋戦争での日本人戦没者310万人。
その91%は1944年〜1945年8月15日の間に亡くなっています。
敗北が決定的であったにも関わらず、日本はどうして戦争を続けていったのでしょうか。
そこにあった国力を無視した誤った戦争指導、補給を軽視した軍事思想、天皇という存在とその影響、日本的組織が抱えていた問題点、生き延びても敵前逃亡罪で銃殺、「処置」という名の殺害、掠奪、襲撃、最後のバンザイ突撃、大和魂…
そして、ニッポンはなぜ特攻や玉砕を決行するに至ったのか?
従軍経験者・水木しげるが遺した凄惨な戦争マンガと、一橋大学名誉教授・吉田裕の詳細な解説で学ぶ、読みついでいきたい戦場とニッポンの姿。
水木しげるが最下層の兵士として従軍し、爆撃を受けて左手を失ったニューブリテン島ラバウル、アジア・太平洋戦争で戦場となった中国・硫黄島・沖縄を描いた戦記漫画7作品に加え、戦地がひと目でわかる地図と、研究者による詳細な解説付き。
多視点から日本の戦争について学べる一冊です。
また、全世代が読めるよう基本総ルビ表記。素晴らしい画を堪能するための大きな判型。保存に適した良質な紙を使用しました。
[漫画作品]
・鬼軍曹?それは何だったか?
・波の音
・ああ天皇とボクの五十年
・姑娘
・白い旗
・沖縄に散る ーひめゆり部隊哀歌ー
・壮絶!特攻(貸本戦記漫画作品)
[解説]吉田裕(一橋大学名誉教授)
・孤立するラバウル
・天皇と軍隊
・中国での戦い
・アジア・太平洋戦争と日本軍捕虜
・敗戦、日本的組織の問題点
戦争は人間を悪魔にする。
漫画
水木しげる
みずき・しげる
漫画家。1922年3月8日生まれ。鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争で激戦地ラバウルに出征し、爆撃を受けて左腕を失う。復員後、紙芝居作家を経て漫画家に転向。1965年、「テレビくん」で貸本からメジャー誌へと発表の場を移し、同作で講談社児童まんが賞を受賞、一躍人気作家に。代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『のんのんばあとオレ』『日本妖怪大全』など。『昭和史』(講談社)で1989年度の講談社漫画賞一般部門受賞。1991年紫綬褒章、2003年旭日小綬章受章、2010年には文化功労者に。海外でも受賞多数。2015年11月30日、93歳で逝去。
解説
吉田裕
よしだ・ゆたか
1954年生まれ。東京教育大学文学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。同大学大学院社会学研究科教授などを経て、2018年定年退職、一橋大学名誉教授。日本近現代軍事史、日本近現代政治史専攻。
東京大空襲・戦災資料センター館長(2019年6月~)。
主な著書 『昭和天皇の終戦史』(岩波新書、1992年)、『日本人の戦争観』(岩波書店、1995年)、『現代歴史学と戦争責任』(青木書店、1997年)、『日本の軍隊』(岩波新書、2002年)、『アジア・太平洋戦争』(岩波新書、2007年)、『兵士たちの戦後史』(岩波書店、2011年)、『現代歴史学と軍事史研究』(校倉書房、2012年)
2018年『日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実』(中公新書、2017年)でアジア・太平洋賞特別賞、新書大賞2019を受賞。