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この4月にフジテレビの木曜劇場枠で放送を開始する『今夜、秘密のキッチンで』。主人公は、俳優から実業家の妻へと転身した坪倉あゆみ。その経歴の華やかさとは裏腹に、モラハラ気質な夫との生活に疲弊する中、突如現れたイタリアンシェフ・Keiとの交流を機に自分自身を取り戻していく、大人のラブストーリーだ。原作は、現在SHUROで配信中の黒沢明世による同名WEBコミック。それと並行して物語が進行しながらも、異なる展開を見せるドラマ版について、クランクインを控えるあゆみ役の木南晴夏さんとKei役の高杉真宙さんに話を聞いた。
写真:須田卓馬 取材・文:福島絵美
2人をつなぐ、イタリアン薬膳。
──本作の台本を読んで、まずはどんな印象を持ちましたか?
木南晴夏 設定や状況は特殊ですが、夫婦の問題という、大なり小なり多くの人が悩んでいるテーマを起点にしているので、広く共感を得られる作品になるんじゃないかなと思いました。と同時に、自分にとってはチャレンジングな役だなとも。そもそもラブストーリーに取り組んだ経験が少ないというのもありますし、あゆみは今までに演じたことのないタイプのキャラクター。撮影に向けては、台本を何度も読み返して、「この場面でこのセリフ言えるかな」「こういう言い方はどうだろう」「ここは現場で監督や真宙くんに相談しよう」と、想像をあれこれ巡らせている段階です。
高杉真宙 役は違えど、僕もチャレンジングな作品だなと思いましたね。今回はラブストーリーであると同時に、イタリアンと薬膳をかけ合わせた料理のシーンが鍵を握ります。料理をする役自体はこれまでにも演じたことはありますが、プロのイタリアンシェフ役となると、一層気を引き締めて向き合わないといけないなと。
木南 真宙くんは料理のシーンがたくさんあって、〝スキル〟が求められる役。撮影までにもいろいろと準備が大変ですよね。
高杉 そうなんです。今はちょうどイタリアンの分厚い教本が自宅に届いたところなので、これから自分で実際に作ってみたり、先生に指導をしてもらったりしながら、シミュレーションを進めていこうと思っています。あとは手元が映る場面が多くなることを見越して、普段は全く塗らないハンドクリームをたっぷり塗って、手のコンディションを整えています。
木南 それも大事な役作りですよね!
──これから始まる撮影で、楽しみにしていることはありますか?
高杉 やっぱり、撮影に登場する料理でしょうか。先んじてポスターの撮影をした時にも、野菜を煮込んだブロードというスープ料理が小道具として用意されていて、良い香りが漂ってきていました。心が休まる心地がして、リラックスして進められた気がします。
木南 美味しい食が登場する現場って、なんとなく平和な雰囲気が漂いますよね。私はもともと、一視聴者としてもご飯が印象的に出てくる作品に惹かれがちで、最近もNetflixの『暴君のシェフ』という料理ドラマにハマっていました。今回の作品では、家庭で作れるようなメニューがたくさん登場するので、「自分も作ってみよう」や「実際に食べてみたいな」と思ってもらえたら嬉しいですね。
高杉 そうですね。僕自身、台本にも食べてみたい料理がいくつも出てきて、読んでいるだけでもイタリアンや薬膳に関する新しい知識がどんどん増えていっています。撮影の時には、少し食べれるかもというのも密かな楽しみです(笑)。
おしゃべりに散歩に、石ころ?
二人の心身を回復してくれるもの。
──本作ではあゆみが、Keiと共にキッチンに立ち、心を通わせる時間を通じて自分を取り戻していく過程が描かれます。お二人は私生活では、どんなことをして心身を回復させていますか?
木南 私は、友達ととことんおしゃべりする時間に癒されていますね。大人になると会える時間はどうしても限られますが、その分1回1回が濃密になりました。最近観たドラマのことだったり、今ハマっている恋愛リアリティショーの話だったり。お互いに話したいことが止まらなくて、まだ話が終わってないのにもう次の話題を被せちゃうくらい。今思えば、子供の頃に見ていた親戚のおばさんたちってこうだったなって(笑)。つい先日友達と会えた時は、高杉さんが出ていたあるドラマの話で持ちきりでした。
高杉 嬉しいです(笑)。僕は……散歩ですかね。
木南 へえ〜! 素敵ですね。
高杉 俳優という仕事柄、作品ごとに演じる役も関わる人も変わるから、瞬く間に時間が過ぎていきます。刺激的な日々だからこそ、毎日同じ道を通ったり、変わらない景色に触れたりする時間が、すごく落ち着くんです。その中で、今日はいつも停まっている車がないな、花が咲いたな、という小さな変化を見つけるのも面白い。散歩の面白さを教えてくれたとある先輩には、「いずれは足元の石にまで目が向くようになるよ」とも言われました。
木南 渋いですね! でもなんとなく、真宙くんがその境地に辿り着くのが、目に浮かびます(笑)。
──では、今作でも重要なキーワードである「食」から癒しを得ることはありますか?
高杉 もちろんあります。僕は以前からお茶が好きで、一時期は毎晩、緑茶やほうじ茶、コーン茶などいろいろな種類を楽しんでいました。撮影で地方に行った時などには、その土地のお茶をお土産にするのが習慣のようになっています。
木南 食で言えば、私はやっぱりおいしいパンに出会うと一気に心が回復します。最近も、よく行っていたパン屋さんで新しいサンドイッチを買ってみたら、それがヒットで。普通のバゲットに、カマンベールチーズと生ハム、バターを挟んだシンプルなものなんですが、具材とパンの相性が抜群で。食べながら、一人で「これだ……!」と興奮を噛み締めました。真宙くんは、パンは好きですか?
高杉 大好きです!
木南 じゃあ、撮影の時にオススメを差し入れさせてください!
高杉 ありがとうございます! イタリアン薬膳に、木南さんセレクトのパンなんて……めちゃくちゃ幸せな現場になりそうです。
木南 話していたら、お腹が空いてきちゃいましたね(笑)。
ドラマ『今夜、秘密のキッチンで』
4月9日(木)より、毎週木曜放送夜22時〜、フジテレビ系列で放送開始。誰もが羨む幸せな結婚をしたはずにも関わらず地獄のような日々を送る専業主婦・坪倉あゆみは、料理と恋を起点に少しずつ再生していく──。脚本:阿相クミコ/出演:木南晴夏、高杉真宙ほか。
漫画『今夜、秘密のキッチンで』
マガジンハウスと共同テレビの共同開発で生まれたドラマの原作漫画にして、累計500万部を突破した『にぶんのいち夫婦』の漫画家・黒沢明世の最新作。
木南晴夏
きなみ・はるか/1985年大阪府生まれ。2004年に俳優デビューを果たし、以来、映画やドラマ、
舞台などで幅広く活躍。近年の出演作は、映画『悪い夏』や『愚か者の身分』、ドラマは『ホットスポット』や『うちの弁護士はまたしても手がかかる』などがある。
高杉真宙
たかすぎ・まひろ/1996年福岡県生まれ。2009年に俳優デビューを果たし、17年には映画『散歩する侵略者』で第72回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。近年の出演作にドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』、映画『架空の犬と嘘をつく猫』など。